肌色の将棋盤と駒置の組みは、実物と同じ材質のカヤ材です。製作に当たり問題となったのが、木目...。
当然ですが、見た目に合うスケールの木目がなかなか無いのです。
結局、専門店の棚の適寸材は皆購入してしまいました。
足も、それなりに「くちなしの実」を形取った造形に細工してみました。ちょっぴり、おちゃめでかわいらしい感じがしますが、いかがでしょうか。
「くちなし...対局中は口出し無用と言う意味があるそうです」
さて、将棋盤の話から離れてしまいますが,この作品ですっかりカヤ材中毒になってしまいました。まずは、とても良い香りがするのです。削り出すと工場内は、すっかりシナモンの様な香りでいっぱいになります。
芳香剤のようなくどい香りでなく、本当に自然の香りで心が和みます。そして、ささくれ立った手がすべすべになって行くのです。
小金色の削り粉を容器に入れて自宅にまで持ち込んだくらいです。
この材料について調べてみると...将棋盤、木彫りの仏像、神社仏閣建造材、風呂桶等とあります。非常に緻密な目をしており重量もあるこの材料は、水に強く(密閉)、狂いが少なく、長期保管に優れるようです。
専門店には、将棋盤用ブロックに50万円の値札がありましたが、尋ねてみると「伐採後、少なくとも10年の乾燥時期を経て商品になるそうで、その間割れに割れ、このサイズで残るの極めて稀でこの値段が付くとの事...」
日本刀の鞘は主にホウ材が使用されているようですが、これも同様の理由では無いかとヒントを得て、最新版のミニチュア・ガンケースにもこのカヤ材を使い始めました。
また、別途紹介するスピーカー「フォックス」にもカヤ材を使い、効果とともに良質な風合いを持たせることに成功しております。
|